川上三太郎 かわかみ さんたろう

 


川上三太郎


弘独地蔵花ちりぬるを手に受けず
雨みどりてんてんてんと昏れなじむ
身の底の底に灯がつく冬の酒
われは一匹狼なれば痩身なり
雨ぞ降る渋谷新宿孤独あり

1891-1968
本名:川上三太郎
別号:眉愁、蒼蒼亭
著述:
『新川柳大鑑』(昭3)
『新川柳壱萬句集』
『滑稽川柳句集』
『天気晴朗』(昭16)
『絵と川柳・女の一生』(昭22)
『川柳入門』(昭26)
 句集『風』(昭26)
 句集『孤独地蔵』(昭38)
『川柳200年』(昭41)
単語集『この道』(昭41)

明治37年、14歳のころ川柳入門。井上剣花坊の柳樽寺川柳会に所属。千鳥会の中心となり「大正川柳」創刊に尽す。『新川柳壱萬句集』、『滑稽川柳句集』を刊行、第一人者の地位を不動にする。昭和4年《国民新聞》の川柳欄選者となり、翌年、国民川柳会を結成「国民川柳会報」を発行。同誌はのち「国民川柳」、「川柳研究」と改題。昭和10年代に黄金時代を築いた。
三太郎の〈詩性川柳〉は特に青年層の魅力となり、詩性派の青年作家が多く集まったが、一方、伝統川柳にも優れた才能を発揮、二刀主義と称された。六大家の一人として川柳生活65年、門下から多くの第一線作家を輩出、また川柳の社会普及に果たした功績は大きい。

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