幕末の絵本柳樽類  
   



教養文庫『誹風柳多留』初篇表紙より


その他、『柳風興句集』(安政二、内題・梅柳吾妻振。素行堂五手編、応需北粋(松川半山)画)、、『新ぱん柳樽』(嘉永五、芳廉画刊、 笹屋板)、安政頃の『柳の栞』(柳下亭種員撰、安藤広重画)など、その数と編数は数え切れないほどにのぼったのであった。
いずれも句の解説的添え絵という関係であり、絵も初期の鳥羽絵風から省略した漫画的表現に移行し、後に再ブームとなる川柳漫画への原型となっている。
問題は、初期の絵本柳樽では、著名な古句を用いたものが多く、絵もそれなりに良かったが、ブームに火がつくと、句の内容は何でも良くなり、ふざけていて面白ければよいという風潮にもなっていく。安藤広重や渓斎英泉などの大画家も参入するが、絵の味とは別に、川柳作品の内容は落ちていった。
『俳風たねふくべ』にいたっては、月並みの入選句を題材としている。

 

 

 

 

 

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