スケベ心を満たす絵本柳樽類  
   



教養文庫『誹風柳多留』初篇表紙より


さらに『新柳多柳』(図16.編者・画師ともに不詳)のような末番句ばかりを題材とする書籍が現れ、これが、社会に広まったことから、「川柳というと猥褻」といった既成概念のもとになってしまった。
 絵入柳樽のブームと堕落は、川柳を社会に広めたという〈功〉と、川柳のイメージを堕落させてしまった〈罪〉の二面性を併せ持っていた。
 もはや、明治期には、これら先行出版の復刻本と出版社もわからない末摘花的内容の地下出版が盛んに行われ、今日のマンガ文化のように、その時々を表面的おかしさで楽しむだけの無内容なものへとなってしまった。

 

 

 

 

 

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